平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、未曽有の甚大な被害をもたらしており、1日も早い復旧・復興をお祈りしております。
その中で私たちが被災地の方々へ何か協力や支援ができないものかと考えて、太陽薬局では義援金募集を社員全員に呼びかけた結果、日本赤十字社を通じて平成 23年3月25日に200,000円寄付させていただきました。 また、薬局窓口に義援金募金箱を設置しており、引き続き支援できればとと思っておりま す。
また、被災地では津波によって多くの家や建物,車など被害にあっていますが、病院や薬局なども崩壊しており、地域医療が成り立っていない地区も多い様で す。加えて宮城県や岩手県など三陸沖地域では、以前より 医師同様に薬剤師の慢性的不足地域であったために、継続的な薬剤師の派遣が必要に迫られています。
○宮城県南三陸町の海岸沖及び内陸部は、津波によって内陸数キロに渡って家や建物,電柱など流されており一面ガレキの山で、テレビなどの映像で見るより凄惨な様子でした・・・ また、被災者の方にお話をお伺いしたところ、海岸近くに居住している人は「地震イコール津波」という考えですぐに高台などに避難らしいが、海岸より少し離れて居住している人ほど逃げ遅れた人が多かったとのことでした・・・
○ 「南三陸町ベイサイドアリーナ救護所薬局」では、救護所「簡易診療録」による調剤,投薬や巡回医療チーム(各医療団D-MATや徳洲会チームT-MATなど)への医薬品の払い出しや患者さんや被災者のご要望に応じてOTC(一般用医薬品)の無料配布,及び志津川病院仮設診療所への医薬品分譲などを行いました。 処方せんはなく、救護所「簡易診療録」により調剤を行い、既往歴,併用薬などは口頭でお伺いして、用法,用量などを「災害対策救急薬袋」に記載して患者さんにお薬をお渡していました。
★~「薬剤師ボランティア活動」内容です~
○ 「南三陸町ベイサイドアリーナ救護所薬局」では、救護所「簡易診療録」による調剤,投薬や巡回医療チーム(各医療団D-MATや徳洲会チームT-MATなど)への医薬品の払い出しや患者さんや被災者のご要望に応じてOTC(一般用医薬品)の無料配布,及び志津川病院仮設診療所への医薬品分譲などを行いました。 処方せんはなく、救護所「簡易診療録」により調剤を行い、既往歴,併用薬などは口頭でお伺いして、用法,用量などを「災害対策救急薬袋」に記載して患者さんにお薬をお渡していました。
○避難所夜間当直中に嘔吐下痢症状を訴える患者さんが受診され、その場で嘔吐されたので、TMAT当直医師の協力依頼にて、当リーダー薬剤師が的確に素早く清掃作業を行い 一緒に隔離コンテナまで誘導しました。結局ノロウイルス陽性でしたが、迅速な対応で施設内蔓延感染を予防することができたと思われます・・・
○公立志津川病院は南三陸町の基幹病院(126床)でしたが、この度の津波により5階建のうち4階部分まで激しく浸水・損傷しており、屋上などに避難したそうですが、入院患者の半数以上が亡くなられたとのことです・・・ 院内薬剤師3名で全面院外処方だったが、門前薬局が壊滅的な損傷により継続不能とのことで、地域医療のためにはボランティア薬剤師の援助がしばらく必要であると思われます。 「公立志津川病院仮設診療所」ベイサイドアリーナ敷地内に4/18オープンしましたが、その前の隣接薬局にて 薬剤部長ら院内薬剤師3名と供に災害医療に伴う処方の調剤業務,投薬を行っています。
震災後の病院の様子
ベイサイドアリーナ敷地内「仮設診療所」
ベイサイドアリーナ敷地内「仮設診療所」
★~被災者の方々へお薬が手渡されるまでの流れ~
「公立志津川病院仮設診療所前の隣接薬局」:手書き処方せん受付け後、調剤を行なって監査,投薬しましたが、限られた在庫リストのなかで、ジェネリック薬や規格変更など薬剤師の判断で臨機応変に変更が認められている状況でした。但し、併用薬との相互作用考慮による薬剤変更や処方追加や削除など医師の判断が必要とされる場合は、直接仮診療所に出向いて問い合せ・疑義照会行うこともありましたが、医師は多忙のなか協力的に対応していただきました・・・
○レセコンがないため、「お薬手帳への記載」を全て手書きにて行い、合わせて「薬袋」にも全ての「薬剤名」も記載するようにしたので、1人の患者さんに結構な時間がかかりましたが、多くの患者さんより感謝の言葉をいただくことが多かったです! 仮診療所ができてまだ1週間ということもあり、診療所,薬局共にパソコン,プリンターなどのハード面及び人員配置や業務の流れの徹底などのソフト面の対応が早急に必要と思われます。
○通常の薬局業務では、ベースとなる環境【レセコン,プリンター,薬歴(場合によっては電子薬歴),分包機,インターネット環境(問合せ検索など),薬剤在庫表(場合によっては店舗間検索や分譲検索)など】が当然のように整っていることが多いですが、そういった環境が全くない状態での業務ということで、これまで薬剤師として培ってきた知識や経験が活かされる場であり、「災害医療」は医療の原点ではないかと感じられました・・・
☆東日本大震災より1年が経ちましたが、まだまだ震災の爪あと,心の傷あとは深く、人として,薬剤師として何かできることはないのか,どうしたらいいのかを自問自答する日々でした・・・ 私が見てきたもの,感じたものを周りのひとにお話しする機会を設けたり,HPに再アップすることで、風化させることなく 少しでも多くの方に伝えてることができたらと思っております。